会長挨拶
基本理念
組織図
各事業紹介
歴史
中経協ニュース
会員コラム
会員企業一覧
入会問い合わせ
アクセス
トップに戻る
福岡県エリア求人ナビ
市民教育賞表彰式
立志会

九州経済フォーラム
九州の女


中経協ニュース2009年3月号

100年後の日本を見据える大局観をもって地域に夢と元気を提供していきたい

(株)大分フットボールクラブ 代表取締役社長
溝畑 宏 氏

地方のチームでありながら、サッカーJ1のトップクラスにまで成長した大分トリニータ。経営者としてチームの先頭に立ち、体を張った営業・広報活動を続けている溝畑氏に、その経営姿勢や哲学、リーダー論をうかがった。国、県、民間それぞれの立場で地域活性化に取り組んだ経験から生まれた思いは、どこまでも熱い。

溝畑.jpg
昭和35年京都府生まれ。昭和60年東京大学法学部卒業、自治省入省。平成2年から大分県に出向し、サッカー日韓ワールドカップ、立命館アジア太平洋大学(APU)開学準備などに携わった後、平成12年から大分フットボールクラブ取締役ゼネラルマネージャーを兼務。平成16年8月より現職。

【小早川】

プロスポーツチームの運営は1年1年が真剣勝負ですから、大変ですね。

【溝畑】

そうですね。ただ、単にサッカーが強い弱いとか興行収入の問題ではなくて、地域を元気にすることが大事だとつくづく思います。大義と言いますか、自分らの活動によって地域や世の中がどう変わっていくかというイメージを持つことが、ビジネスを広げるためのカギでもあるんですよ。目先のことではなく大局で物事を語り、プレゼンスしていかないと、世の中に生き残っていけませんし、経済格差や中央と地方の立場の強弱はあっても、心は自立して、自ら風を起こす気概を持つことが大切だと思います。

【小早川】

中経協も10年前の25周年の時に「風を起こそう。企業へ、地域へ、そして国の未来へ」というスローガンを設定しました。中小企業の団体が国家政策や地方自治、国際化を語ることに対して、いろいろと言われてきましたが、そうした夢や志がないとだめですね。夢や志と現実との距離感の間にこそ、創造性や可能性、エネルギーが生まれると思っていますので、身の丈以上のチャレンジを積極的にやっています。

【溝畑】

立派ですね。私の実感としても、制度をいじっているところではなく、市町村とか中小企業、住民に元気がないと、日本は元気にならないと思います。世の中の大きな空気を形成するのは、国や大企業じゃないんですよ。今は確かに経済情勢が厳しいです。ただ、やりようでどうとでもなるところも多いのに、みんな下を向いてしまっている。物の豊かな時代に育ち、競争させない教育を受けてきたせいか、今の日本の社会全体に競争とか改革に対する意識、ハングリーさがなくなっているような気がしますね。

【小早川】

トリニータの存在は、教育面にも素晴らしい貢献をしているんじゃないでしょうか。それにスポーツ産業は、経済のみならず文化を育てること、人を育てることにとっても大きい意味を持つと思います。ある意味では、地域を代表する裾野の広い産業ですよね。

【溝畑】

つけ加えれば、地域の結束力とか活力の掘り起こしには、スポーツ文化は大事な要素だと思います。 大分トリニータは「企業・行政・住民」の三位一体を謳っていますが、まずフロント・監督・選手が結束して、次にインナーの結束、そして外に向かっての結束をする。これができて初めて、小さな都市の小さな予算のチームでも、目に見えないパワーを発揮して、有力チームに勝ってしまえるんです。これは中小企業が大企業に勝ってしまうのと同じ発想です。中小企業の強さは、そうした結束力、組織愛だと思います。それから、出来上がってしまっている大企業に比べると、自分たちでどんどん道を作って、成長していけるポテンシャルを持っていますから、そこは経営者にとっても醍醐味ですよ。

【小早川】

金銭的に恵まれているから強いとは限らないですものね。恵まれていないから、がんばって自力で維持していこうと腹をくくれる。 ただ、泳ぎの手を止めると、いっぺんで沈んでしまいますけど。

【溝畑】

だから、不安と戦いながら、足もとを固め、苦しい時こそ4倍も5倍ものエネルギーと計画性をもって攻めないとだめですね。うちは年間予算も他の有力チームと比べると半分以下だったりしますので、良い選手を獲得すれば経済的に苦しくなりますが、投資しないと回収できるものは生まれません。コスト削減も必要でしょうが、削減したもので何を生み出すかがポイントですよね。苦しい時に私は、日本一、あるいは世界レベルのところを見に行って成功のイメージを固め、目標に向けて逆算して、今日は何をすべきか、1週間後、1カ月後、1年後はどうすべきかを考えることにしています。その際、自分の身の丈の1.5倍ぐらいの丈を設けて自らにプレッシャーをかけ、達成できなかったら責任をとる。人間は責任があると必死になります。

【小早川】

しかし、トリニータの活躍をはじめ溝畑さんの関わってこられたワールドカップやAPUも、ある意味、常識を覆すものです。一村一品も大分でしたし、これは大分の風土でしょうか。

【溝畑】

一つはリーダーの決断でしょう。私は平松知事の背中を見て育ちましたが、知事は今の人に評価されるんじゃなく、20年後、30年後の世代から評価してもらえるかどうかの発想で決断し、こうと決めたら世の中にまかせるんじゃなく、自分たちで流れを作っていく、それがリーダーだと言っておられました。

【小早川】

迎合せず、孤独に耐えてみんなの夢の旗印になれるリーダーが求められていると私も思います。溝畑さんのようなリーダーが大分におられるのは心強いですね。これからのご活躍も期待しております。

会長.jpg
<聞き手>
(社)福岡県中小企業経営者協会 会長
小早川 明德 氏



福岡県中小企業経営者協会
福岡市博多区博多駅前2-9-28福岡商工会議所ビル1F
TEL092 -451-8593 FAX092-451-9379