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中経協ニュース 2008年5月号

九州経済活性化のために 総力を挙げて地元企業を応援します。

九州経済産業局局長
 谷 重男 氏

九州の経済・産業の発展・振興のためにさまざまな施策を考え、地元企業を多方面から支援していただいている九州経済産業局の谷局長に、今年度の新しい施策とともに、九州経済の展望や道州制に関するご意見をうかがった。「オール九州」の発想が、今後の九州の一体的発展のカギとなりそうだ。

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昭和30年生まれ、富山県出身。東京大学工学部卒業後、昭和53年通商産業省入省。資源エネルギー庁、環境立地局、産業政策局、製造産業局などを経て、経済産業大臣官房参事官、同審議官、内閣府大臣官房審議官を歴任。平成19年7月より現職。

【小早川】

中経協は日頃から九州経済産業局にはいろいろと力をお借りしております。新年度になりましたので、まず、今年度の重点施策をお教えください。

【谷】

新規策としては、まず「農商工連携」があります。これまで経済産業省の施策としては商工業中心でやってきましたが、地域経済活性化という観点から、法整備を手始めに農林漁業者と商工業の連携をもっと強めていきます。九州は農林漁業が強いところですから、先駆的なモデルをたくさん出していきたいですね。2点目は「地域イノベーション創出拠点形成」で、大学やさまざまな研究機関との連携を強化し、人材や設備等の資産を共用化して、地域のイノベーションを創出していこうという取り組みです。3点目は、中小の中でも特に小規模な企業に対する「がんばる小規模企業応援プラン」で、九州には40程度の地域力連携拠点を設けてやっていく予定です。それから人がらみでは、大企業や中央で活躍していた定年世代の力を地方で発揮していただこうという「新現役チャレンジ支援事業」があります。もちろん、地域資源活用、企業立地促進法に基づく総合的な地域振興策、さらに産業クラスター形成などにも引き続き取り組んで参ります。

【小早川】

農商工連携も非常におもしろいと思いますが、小規模企業応援プランで、連携拠点が九州で40ヶ所というのは多いですね。具体的にどんな応援をされるんですか?

【谷】

経営管理ソフトをネット経由で提供することで経営革新につなげていただいたり、各拠点に応援コーディネーターを置いて、経営や新規事業、事業承継関係などの相談に乗るといったことを考えています。

【小早川】

今の中小企業基盤整備機構の対小規模企業バージョンということですね。中小企業基盤整備機構は、元経営者の方々がたくさん動いていらして、中小企業のことをよくわかってらっしゃるのがいいですよね。

【谷】

元経営者は成功も失敗も経験していらっしゃいます。経営でもそうですが、研究開発でも失敗例の方がわかりやすいというか、よく伝わるところがありますね。

【小早川】

特に事業の承継関係では失敗事例は大事ですし、経験者のサポーターは非常に心強いと思います。経験者活用という意味では「新現役チャレンジ支援事業」も同じですが、どういうものになるんですか?

【谷】

Uターンに限りませんが、言ってみれば九州出身の方が故郷に戻って、それまでの経験やノウハウを活かして、地域の中小企業などに経営指導や専門的・技術的なアドバイスをしていただくというイメージです。たとえば独自の技術が意図的でなく海外に流出してしまうなど、中小企業では対応するのが難しい問題がありますね。そうしたことに関するノウハウを、経験者から伝えていただくわけです。スキルよりも、これからの自分の人生の5年、10年をかけて、中小企業を元気にしていくんだという情熱が大事だと思っています。

【小早川】

身近にも、IT関連の地元企業が知らないうちに外国企業の特許か何かを侵したと訴えられたケースがあります。人も時間も資金も限られている中小企業にとっては、ありがたい発想の事業だと思います。ところで、道州制についてはいかがでしょう。

【谷】

九州は、九州地域戦略会議をはじめとして各界・各地域で熱心に論議をされていて、間違いなく日本の最前線に立っていると思います。これからはぜひ、道州制の下で九州は何を目指すのかといった具体的なビジョンを掲げ、各論ベースの議論も深められていくことを期待しています。

【小早川】

九州の経済実態はすでに県境を越えていますから、実態と理念が合体すれば、意外と早い時期に一体的な動きとなるかもしれません。今の九州経済の課題として感じていらっしゃるのはどんな点ですか?

【谷】

九州はモノづくりは強いのに、その後の付加価値をつける部分で若干損をしているような気がします。たとえば半導体製造では全国の約20%のシェアなのに、ITサービスとなると3.5%ですし、農産物の出荷は2割近いのに食品製造では11%ぐらいです。ですから、実直にいいものを作るという九州の強みを、もう少しうまく利用できるようなビジネスモデルを構築することがカギになるのではないでしょうか。人材育成についても、そうした発想ができる人材、そして市や県といった狭い地域でなく、オール九州・オールジャパン対海外といった大きな視野で物事を見ることのできる人材の育成が大切でしょう。

【小早川】

おっしゃる通りだと思います。本日はありがとうございました。



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<聞き手>
(社)福岡県中小企業経営者協会
会長 小早川 明徳 氏



福岡県中小企業経営者協会
福岡市博多区博多駅前2-9-28福岡商工会議所ビル1F
TEL092 -451-8593 FAX092-451-9379