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| 【小早川】 |
伊都キャンパスへの移転は100年に一度あるかないかの大きな改革チャンスだと思います。移転を契機とした大学運営面での改革点をお聞かせください。
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| 【梶 山】 |
改革点としては大きく二つあります。まず、大学法人化のメリットとして、国立大学時代にはなかったやり方で移転を進めていることです。一番良い例が六本松キャンパスでしょう。現在、六本松にある共通教育や大学院を平成21年4月までに伊都に移しますが、土地を担保に銀行からお金を借り、移転費用に充てたおかげで、当初の計画より5~6年早く移転を実現できる運びとなりました。土地は移転完了後、更地にして売り、借金を返すわけです。現時点では、すべての移転完了が平成31年度末の予定ですが、それではあまりに時間がかかり過ぎて、教育・研究のアクティビティが落ちてしまいます。箱崎キャンパスや農場も六本松と同様のやり方をとり、少しでも前倒しできればと思っています。
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| 【小早川】 |
もう一点はどんなことですか。 |
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| 【梶 山】 |
市民に開かれたキャンパスづくりです。伊都キャンパスは市民が知的な生活をエンジョイできる場がコンセプトです。たとえば図書館、レストランや赤ちょうちん、いずれ作る予定の博物館、体育館や温水プール、テニスコートなどを自由に利用して、キャンパスで日常生活をエンジョイしていただきたいのです。実際に伊都キャンパスではもう、土日を中心に一般の方の姿をよく見かけます。日本でもこれほどオープンなキャンパスはないと思います。 |
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| 【小早川】 |
キャンパス・タウンという感じですね。ところで私は、自動車や先端産業などのモノづくりの観点から、九州大学に大胆な産学連携の強化を期待しているのですが。 |
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| 【梶 山】 |
これまで日本の大学では、体制の不備や研究員の不足が主な原因で、企業からの研究依頼にスピーディーに結果を出せないというケースが目立ちました。私はその点を改め「組織対応型連携」という仕組みに変えました。企業という組織からの依頼は、先生方ではなく大学という組織が責任をもって受け、必ず人件費を含んだ研究費を請求します。そして、企業側と九大側の双方で連携協議会を作り、3カ月~半年毎に研究の進展具合を確認し、その後の対応を検討するのです。この方式は成果をあげるためにも有効で、半年ぐらいで特許申請やミニプラントまでこぎつけた例もあります。
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| 【小早川】 |
それはいいですね。モノづくりを担う人材育成の面ではどうですか?
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| 【梶 山】 |
自動車に関連する様々な学問に対応できる学生を育てる「オートモティブ専攻」を、平成21年4月から大学院に開設予定です。九州大学は「総合大学ですから、従来の材料学とか制御や生産のシステム、情報関係に加え、カーデザインや心理学的観点などからの自動車開発、さらに将来予測や経済など、総合的なアプローチが可能です。教育組織の面でも新しい試みをする予定で、女性や弱者の視点からの自動車開発は福岡女子大学に、将来予測を含めた経営的部分は西南学院大学に受け持ってもらう計画です。国公私立連携というわけです。さらにもう一つ、人間の感性と技術の融合を
めざして、感性に関する大学院も平成21年4月に始める予定です。
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| 【小早川】 |
おもしろいですね。従来の国立大学の運営形態が変わることによって、全く新しい大学に創造し直されているという感じがします。もう一つお聞きしたいのは、国際社会で活躍できる学生をどうやって育てるかということです。私はいつも、国際ビジネスにおいて、日本と相手国双方の哲学や思想、歴史、社会体制など価値観を理解しておくことの重要性を強く感じているのですが。
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| 【梶 山】 |
おっしゃる通りです。実際に外国へ行くのも非常に役立ちますが、九州大学ではやはりきちんと4年間、ないしは大学院まで時間をかけて、国際戦略の立てられる人間、政策提言のできる人間を育てようと、これも平成21年4月には「インターナショナル・カレッジ」を作る予定です。教員の半数は外国人で、授業はほとんど英語で実施し、特にアジアのことを広い視野で学ぶ場にしようと思っています。現在でもそうした試みは行っていて、その代表が「QREP」というプログラムです。約1週間の日程で、20数名の学生がシリコンバレーに勉強に行きます。現地で起業している日本人を中心とした講師陣による講義、企業訪問、スタンフォード大学の学生とのディベート(討論)など、非常に密度が濃いものです。参加した学生は、今まで自分は何をやってたんだとショックを受けるようですね。今学期は九州大学のシリコンバレーのオフィスと回線をつなぎ、QREPにも協力していただいている講師の方々を中心に、双方向で遠隔授業もやりました。
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| 【小早川】 |
どれをとっても未来に夢を描けるような、非常におもしろいお話ですね。これからの九州大学に期待いたします。本日はありがとうございました。
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