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| 【長谷川】 |
大蔵省時代からの先生のご活躍は、“ミスター円"の呼称とともに私どももよ
く承知しております。その先生が「日本の次世代リーダー養成塾」を立ち上
げられた、そのお志からお聞かせください。 |
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| 【榊 原】 |
端的に言えば、今の日本の教育に対する危機感です。私はずっと欧米を相手
に仕事をしてきましたが、最近は中国やインドが急速に発展しています。中
国にしろインドにしろ、実は高等教育のレベルが非常に高いですね。昨年末、中国トップの清華大学を訪ねたところ、全寮制のTVもない環境で、学生たちは日本の学生の5倍や6倍は勉強しています。ほとんどの学生が英語も
流ちょうに話しますし、理科系を重視して、エリートを育てていますね。なに
しろ胡錦濤国家主席や温家宝首相をはじめ、今の中国の政治局常務委員9人
全員が技術系ですから。インドはインドでITが非常に強いですよね。イン
ドのトップは全国に7つあるインド工科大学ですが、まさにエンジニアリン
グとテクノロジーの学校で、これまた学生はよく勉強します。韓国も教育に
非常に熱心です。日本は高校生の8割が文化系希望ですし、理科系の学力が
落ちてしまっています。しかも大学に入ったら遊ぶという風潮が強くて…。 |
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| 【長谷川】 |
このままだと、この先大変なことになりますね。 |
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| 【榊 原】 |
今はまだいいけれど、10年、20年先には本当に大変なことになりますよ。
日本の技術と経済がこれだけ発展してきた背景には、それを作った人たちの
懸命な勉強と働きがあったわけですが、それが消えつつあります。だから今
こそ、本格的なエリート教育をやらなきゃいかんですね。世界の高校生の意
識調査で「偉くなりたいか」という質問に対して、中国は約7割、アメリカ
でも4~5割はイエスと答えているのに、日本は1割なんですよ。でも、若
い人たちがそれじゃ困る。どんな職業を選ぶかは自由ですけど、やはりプロ
として頂点をきわめたいという意欲がないと、国がおかしくなります。
「日本の次世代リーダー養成塾」は、そういう危機感から始めました。 |
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| 【長谷川】 |
まだ色のついていない高校生のうちですから、2週間でも相当刺激が大きい
でしょうね。 |
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| 【榊 原】 |
やはり高校生の多くが変わって帰っていきます。ただ、今の若者は肉体的に
も精神的にも弱いし、生活力がありません。非常に優秀な生徒が全国から集
まるのですが、たとえば掃除をしないので部屋が汚いし、洗濯せずに汚れ物
を段ボール箱に入れて親元に送ったりします。特に女の子に多いですね。
それから携帯電話やインターネットを頻繁にやっていて、人対人のコミュニ
ケーションがヘタですね。
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| 【長谷川】 |
自分から訴える前に周囲から与えられるからでしょうね。 それで個の世界
に埋没するんですね。
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| 【榊 原】 |
そうなんです。これまで人と議論したりケンカしたり、してこなかったんで
すね。だから、もちろん学問を教えることも大事ですが、人間社会の中で生
きていくこと、その基本をまず教えなきゃいけないと、やってみて気づきま
した。貴重な体験をしましたね。
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| 【長谷川】 |
そうした若者が増えているのは、私たち世代の責任だと言えるかもしれませ
ん。さまざまな問題を政治家が悪い、政府のせいだ、学校が悪いと、主体性
なく批判ばかりしてきましたからね。私は仏教を学びましたが、仏教の考え
方ではすべては自己責任なんです。社会は自分の心の投影ですから、社会が
悪いのは自分が悪いんです。それが本来、日本人の受け止め方だったのですが。
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| 【榊 原】 |
そうした日本的なものの考え方というのは大事です。日本文化のレベルは極
めて高いですね。ところが、戦後は欧米の方ばかり向いて、それを教えてこ
なかった。非常に残念ですね。
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| 【長谷川】 |
そうしたことも「日本の次世代リーダー養成塾」では教えようとされているわ
けですよね。。
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| 【榊 原】 |
毎年わずか160人ですが、これはずっと続けることが大事だと思っています。
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| 【長谷川】 |
広い日本の中でも養成塾を福岡の宗像でというのは、どういうご縁だったんで
しょうか。
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| 【榊 原】 |
麻生福岡県知事をはじめ改革派の知事たちと、地方分権研究会というのを
やったんですね。皆さん、今の教育に対して危機感を持っていましたので、そ
の中で教育をやろうということになったのがきっかけです。九州の皆さんが非常に熱心だということに加え、宗像のグローバルアリーナが全国的にもない素晴らしいものでしたので。
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| 【長谷川】 |
地方分権が進んで道州制、自治州なんてことになると、やはり教育がリードし
ないと自治はできませんね。
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| 【榊 原】 |
そうなんです。福沢諭吉も言ってますが、自立の基本というのは学問です。
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| 【長谷川】 |
<聞き手>
(社)福岡県中小企業経営者協会
会員 長谷川 悠一 氏
(はせがわ 代表取締役社長)
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宗像には宗像大社があって、大陸との交流を物語る国宝をたくさん持っています。
福岡は日本とアジアの結節点であるという点でも、養成塾が福岡でスタートした
のには大きな意味があると思います。今後の養成塾の発展に大きな期待をいたし
ます。
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