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中経協ニュース 2007年3月号

暮らし重視の市政の実現には、地域の絆の復活が不可欠。 地元の経営者の皆さんや団塊の世代の力に期待します。

福岡市長
 吉田 宏 氏

昨年12月、福岡市の新市長に就任した吉田氏の公約の核は、子育て・障がい者・高齢者支援、教育力向上など、暮らしに直結した生活基盤の充実である。新市政への期待をこめて、中小企業対策、教育・子育て、地域コミュニティの活性化などについてお話をうかがった。

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昭和31年福岡県生まれ。鹿児島ラ・サール学園高校、慶応義塾大学経済学部卒業、昭和55年西日本新聞社入社。山口支局を皮切りに北九州支社、東京支社報道部、論説委員、経済部長などを経て平成18年退社。同年福岡市長選に立候補し、当選。
   
【是 永】

吉田市長のマニフェストを拝見させていただきました。私どもは中小企業の経営者の集まりですので、まず中小企業対策についてお話をお聞かせください。

【吉 田】

そもそも中小企業が元気でない街は街自体に元気がないですね。それぞれに個性あるビジネスをやっている人がたくさんいれば、それはイコール街の経済力、活力です。そういう意味からも地元の自治体は、常に地域の中小企業経営者の方々と同じ目線で考えるという姿勢が一番大事だと思います。中小企業に対して行っているいろんな支援施設の一つに金融的なサポートがあります 。福岡市はこれまでも各企業の実状に合わせて、さまざまな資金需要に対応できるよう融資制度をしてきましたけれども、もう少し使い勝手が良く、借りやすくて喜ばれるシステムにしようと、融資条件の緩和などを検討しているところです。

【是 永】

ぜひよろしくお願いいたします。それから今、最も気になるのが子育てや教育の問題です。世の中、特に家族や親子関係が荒廃しておりますね。

【吉 田】

今の日本の社会のあり方、中でも家庭や家族、教育が大きく揺らいでいるのは、学校と行政と家庭の距離がどんどん離れていってるのが一番の原因なんですね。しかし、どうやれば行政が学校や家庭と一緒に教育に関わっていけるのか、これがなかなか難しいわけです。たとえば今、小学生でも3割ぐらいが朝ご飯を食べてない。つまり3割ぐらいのお母さんが朝食を作ってない。朝ご飯を食べてきなさいというのは学校で教えることなのかと言えば、これは家庭ですよね。まず学校の先生がお母さんにお願いなり指導をするんでしょうけど、じゃあそういう家庭に対して地域が、さらには行政がどこまで言えるのかということです 。

【是 永】

確かに難しいですね。 私は福岡の市立高等学校の活性化検討委員会の一人ですが、現場の先生方は大変だとつくづく感じます。 だから、そういう先生方の負担を地域で分担して軽減できないかと思いますね。

【吉 田】

地域との関係で言えば、福岡市では今、実験的に教頭先生クラスの教員の方たちに区役所職員として区役所に入ってもらって学校と地域のつなぎ役をやってもらっているんですね。これが結構、効果を上げています。

【是 永】

我々みたいな年を重ねた人間や、団塊の世代でこれから現場をリタイアされる方々が、地域の中で若いお母さん方をサポートしていくというようなことをやるのもいいと思うんですが。

【吉 田】

公民館ではすでにそういう取り組みをやってましてね。若いお母さんたちが子どもを連れて公民館に来て、子育てのベテランのお母さんやおばあちゃんたちと、フランクにいろんな話をしていらっしゃいます。特にこれからリタイアされてくる団塊の世代の人たちは体力も知力も十分にあるわけですから、その力を何とか地域の方に向けていただきたいですね。教育とか子育てとか介護と か、いろんなところで力を発揮してもらって。なおかつボランティアだけじゃなくて、そこに小さいけれどもコミュニティビジネスと呼ばれるものが生まれる可能性もあると思っています。

【是 永】

そうしていけば学校の先生任せでなく、少しは地域の中からしつけができていくかもしれませんね。 それと並行して、学校が学ぶ場になって来たときに、学校の先生の質を高めていく努力も必要ですね。

【吉 田】

今、先生たちに対する研修も非常にきめ細かくやっています。ただ、教育現場はいろいろと大変ですし、心の病にかかる先生たちもいらっしゃいますので、先生方をあまり追い込んでしまうのは良くないと考えています。まず、先生方の自主的な教育方針、教育に対する情熱や姿勢を尊重した上で、サポートすべきところは行政や教育委員会でしっかりやっていくということが大事だと思うんです。それには上の立場から一方的に先生方に指示するだけの関係じゃなくて、一緒に今の問題を考えようという並列的な関係にならないと、なかなか回っていかないと思います。

【是 永】

今のような子どもと親を作ったのは我々でもあるわけなんですよね。これはもう地域の一人としてみんなで変えていく方向が必要ですね。

【吉 田】

実際に動き始めるのは来年度以降ということになりますけれども、今のお話を具体化することも目的に含んだ「福岡版教育力向上委員会」の設置を指示しております。

【是 永】

我々も支援していきます。それから、地域の教育や福祉の場に中高年の力をというお話も出ておりましたが、高齢者、特に技術を持った方々の雇用は企業の存続にも関わってきます。中高年の方を雇用すると、国からはいくらかの助成金が入ってくるのですが。

【吉 田】

福岡市では、国の制度をきちんと広報していきたいと思います。ぜひ活用していただきたいと思います。

【是 永】
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<聞き手>
(社)福岡県中小企業経営者協会
副会長 是永 須満子 氏
(セルコムメディコ㈱代表取締役社長)

この広報誌にもしっかり載せて、周知を図りたいと思います。ありがとうございました。。


福岡県中小企業経営者協会
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