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中経協ニュース 2006年10月号

小泉内閣で3年と4日間、環境大臣の要職にあった小池氏は、クールビズや風呂敷の提唱など、それまでになかった発想とアピールの仕方で、環境に対する国民の意識を大きく変えてこられた。その小池氏に、環境という大きな課題に取り組んだ日々を振り返りつつ、今後の政治のとるべき方向性を語っていただいた。
21世紀は持続可能な社会へのパラダイム・シフトが必要。 環境こそ、政治の中心に据えていくべき重要課題です。

衆議院議員、内閣総理大臣補佐官(国家安全保障問題担当)
小池 百合子 氏


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昭和27年兵庫県生まれ。カイロ大学文学部を卒業後、アラビア語通訳・講師、テレビキャスター等を経て、平成4年に参議院議員初当選。平成5年、衆議院議員初当選以来5期連続で当選を果たし、小泉政権下で平成15年から環境大臣、平成16年からは内閣府特命大臣(沖縄及び北方対策担当)も兼務した。安倍新内閣でも内閣総理補佐官に就任。
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小早川 小池先生は環境にしろ北方領土・沖縄にしろ、日本が抱えている中心的な課題に取り組んでこられました。特に人間の根幹に関わる自然や資源といった環境の問題は、次の世代が生きていくためにも、人類を挙げて考えなければならない大事な課題ですね。。
小池

おっしゃる通り、環境は政治の中心に据えていくべき課題だと思います。地球温暖化は産業革命のころに始まり、加速度的な勢いで進んでいます。石炭を燃やし、石油を燃やしてきた結果として、温室効果ガスが地球を取り巻いて地球全体を温め、南極・北極の氷を溶かし、海水面も膨張しています。20世紀には海水面が約20cm上昇しましたが、このままだと今後の海面上昇は最大88cm、日本の場合は約1mだと言われています。そうすると日本の海岸の砂浜は大体9割が消失し、あちこちにある人工島なども、もっと高くしておかないと消えてしまう計算になります。ですから21世紀は、大きくパラダイム・シフトをしなくてはいけません。さらに言えば、21世紀は水が最大の課題になると思います。今でさえ河川の途中で農業用水、工業用水などで取水し、最初の一滴が大海には流れていない大河が世界中でみられます。生きていくための真水に加え、今後はエネルギーとしての水の確保も必要です。 燃料電池も基本的に水素、つまり水を使いますから。

小早川

国民もそうですけれども、議員の皆さん方はそういう認識をお持ちなんでしょうか。

小 池

昔と違って、今は環境を語らないと選挙に当選しないぐらい、世の中が変わってきました。議員の仕事はシステム作りですから、循環型社会というシステム作りに取り組んで下さる議員の方は、かなり増えてきているとは思いますね。それから「持続可能な社会」というコンセプトを議員が持っているか否かが、政治を担う際には大事な要素になってくるのではないかと思います。 。

小早川

先生が環境大臣に就任なさった当初と今の時点で、どんな変化を感じていらっしゃいますか。

小 池

大臣になって環境省の説明を受けたら、人員が1,100名程度、年間予算が3,000億円ということでした。環境の世紀と言われながらも、これは霞ヶ関の中では格段に少ない所帯です。人も予算も少ない中で、どうしたら充実した大きな仕事ができるかと考えた時、知恵を出すしかないと。それがクールビズや風呂敷の提唱だったわけです。専門知識や知見は役所には十分蓄積されていますが、それを難しい言葉のまま伝えても国民には届きません。環境というテーマは生活者に身近な分野が多いので、むしろこんなに楽しい、こんなに得するという方向で訴えました。実際にクールビズを導入した企業からは、電気代が削減できましたという声もどんどん上がっています。職員も環境が注目されやすくなったので、すごく張り切るようになって、政策の伝え方を工夫するようになりましたね。

小早川

循環型ということから言うと、たとえば農山村が治山治水という重要な部分を担っていても、それが都市部には理解されず、お金に換算されにくい現実があります。私は地方分権が進む中で環境を良くしていくためには、そういう部分の意識の変革や新たな施策の導入が必要だと思うのですが。

小 池

実際に今、農林業の担い手や後継者が減って山や田畑が荒れ、それによって水害が突然、都市に押し寄せるといった状況が起こっています。結局、全部循環してるわけで、おっしゃるように農林業も含めた総合施策なしに、都市は成り立たないと思います。たとえば今、原油が高騰したために、バイオエタノールなど植物由来の燃料開発に力が入れられ始めているのですが、その主な原料はサトウキビです。これはつまり、エネルギーと食料の垣根がなくなるということなんですよ。そうなると発想とやり方次第で、エネルギー資源の少なさ、衰退する農林業という日本が抱える二つの問題を両方解決できる可能性、そして農山村部と都市部を新たな形で結びつける可能性も出てきますよね。

小早川

最初は隙間産業みたいなものが、時代の流れによって大きく育ってくるのと同じで、期待が持てますね。最後に、小泉政権を総括いただけませんか。

小 池

私は小泉政権の真っ只中にいて、環境大臣を丸3年やりました。これは最長記録です。長ければいいわけではありませんが、やはり予算の作成から実施、そして検証、調整を行って、また次の予算へと継続することが、コストパフォーマンスの面でも、官僚主導を脱して政治主導にシフトできた点でも、非常に良かったと実感しています。それから今、格差問題が盛んに云々されていますけれども、日本ほど格差のない社会は世界中探してもないですよ。今は改革の入口に一歩入ったところであって、これから本格的に改革の歩みを進めないとだめです。ここで引き返すことになったら、これまでの5年間が無駄になると思いますね。

  
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<聞き手>
(社)福岡県中小企業経営者協会
会長 小早川 明徳 氏
((社)福岡県中小企業経営者協会 会長)


福岡県中小企業経営者協会
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