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中経協ニュース 2006年6月号

好調な台湾経済を支えるIT関連産業。 中国移転企業の台湾回帰策が今後のカギに。

台湾総統府秘書長元外交部長
 陳 唐山 氏

日本と台湾の経済関係は、部品調達、製造、流通、市場開拓、観光等さまざまな側面で近年ますます緊密度を増し、特に対中ビジネスにおいては、さらなる連携・協力関係が築かれつつある。順調な経済発展を続ける台湾経済の現状と政策、近隣国との関係を、台湾総統府秘書長の陳唐山氏にうかがった。

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1935年、台湾南部の台北県塩水鎮生まれ。台湾大学大気物理学科卒業後、米国に留学し、修士号、博士号を取得。'73~'92年まで米商務省に勤務する間、全米台湾同郷会長や世界台湾同郷会長を務め、'92年立法委員(国会議員)に当選。'93年台南県長(知事)、2001年に再び立法委員となった。現在は秘書長(官房長官)。
石 原 日本の経済は雇用と債務、設備の三つの過剰を何とか解決し、株価や設備投資、     雇用もようやく上り調子になって参りました。台湾の経済は、現在いかがでしょうか。

台湾経済は今のところ概ね順調です。特にハイテク産業、中でもIT関連は大きく伸びて おり、新竹サイエンスパーク(科学工業区)の生産高は毎年8000億台湾ドル、台中と台南のサイエンスパークも今はおそらく4000億を超えていると思います。GDPも去年は約4%、今年も4%ぐらいの伸びを見込んでいまして、経済成長力は2005年9月の統計では世界157ヶ国中5位です。 また、WTOの統計によりますと、台湾の2004年の世界貿易総額は18.6億米ドルで、前年比21%増、世界15位ですね。

石 原

問題はほとんどないと?

多数の企業が中国大陸に移って、失業者が増えていることが一番の問題ですね。最近のアメリカの統計では、世界各国から中国大陸へ投資された金額の53%、約2800億ドルは台湾からの投資です。それから、これもアメリカの統計なんですが、中国の工業生産額のうち、台湾企業家の工場で作り出したものが50%を占めています。こういう傾向が続いていけば、台湾の経済が停滞する恐れがあります。

石 原

台湾の最大の貿易相手国も中国ですし、中国経済はこれからますます伸びていくと思います。中国との政治的関係が非常に難しい中、今後の台湾経済の中国に対する運営についてはどうお考えですか。

李登輝前総統は何年も前から、なるべくベトナムとかフィリピン、インドネシアの方に投資をしていった方がいいと言っておりまして、今の陳水扁総統も同じ考えです。しかし商売人にとっては、生活習慣や言葉、文化も変わらない中国は魅力的です。ですから陳総統は、積極管理策を打ち出しました。台湾から中国へ移す事業は申請を出させて、申請時に積極的に審査検討する、つまり管理を厳しくやるというわけですね。一方で、中国大陸へ移った企業を呼び戻そうと、インダストリアルパーク(一般工業区)の整備を積極的に行っています。中国への企業移転の主な理由は土地の問題と賃金の高さですから、政府もその根本的な問題の解決に動いています。

石 原

では、台湾と日本のこれからの経済的な結びつきに関してはどうお考えになっていらっしゃいますか。

台湾と日本には、漁業問題を除けば問題はないですね。日本とは今、非常にいい関係だと思います。お互いにノービザで行き来できますし、航空便も増えています。今は北海道にもありますね。

石 原

中国では反日デモ、韓国でも例の竹島問題があって、あれを契機に日本人の台湾旅行者はすごく増えているんです。台湾の方も多数、日本においでいただけるようになりましたね。

2005年に日本から台湾へいらしたお客様は約120万人で、台湾から日本へ行った人は130万人ぐらいです。どんどん増えています。 だいたい近いですからね。

石 原

日本人も親台湾ですが、本当に台湾の方は親日ですね。私は台湾に5、6回行ったことがありますが、本当に気持ちのいい、良いところです。陳先生におかれましては、これからもお元気で活躍され、日本のためにもお力添えいただければと思います。今日は本当にありがとうございました。

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<聞き手>
九州経済フォーラム
会長 石原進 氏
九州旅客鉄道(株) 代表取締役社長


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