|
「今、“ソシアル”な時代」
―中経協の次なる組織を考える―
教育も企業も福祉も、そして個人の生き方も「今、“ソシアル”な時代」となった。少し丁重に表現すると“ソシアル”を自覚する時代と言えよう。これは、現在展開されている施策や方向性が“ソシアル”であると評価しているということではない。むしろ、それを自覚して再構築し直さねばならないと考えるものである。
私は、平成13年の“中経協にゅうす”新年号でその時代の到来を次のように述べた。― 新しい世紀は“弱者救済”から“適者生存”の時代。生き残る力を持つ者と努力する者が自らの生存を可能にする。加えて、“利益優先”から“公益優先”を重んずる時代。これは、“民”に対する“公”ではなく、個人の利益よりも生命とか環境とか自然、あるいは地域とか資源という公共的利益を優先すること。更に“官が民を支配する”時代は終わり、“民が官を支援する”時代となる。“民”の自由な発想による知恵と行動力と、多様な資本力が行政の枠を超え、規制のしがらみをとり除き、ミッションに忠実な新しいネットワークをエネルギーとする時代である。これらは経済界や企業においても看過することの出来ない重要な視点である ―と。まさに21世紀の新世紀のはじまりにあったって時代の方向性の模索であった。
あれから10年。ボランティア、NPOというミッションをベースとした活動は、従来の地域における互助組織の崩壊、時代の進展や女性の社会進出に伴う生活様式の変化、あるいは個人の生活の多様化や高齢化による社会システムの補完機能として発達。ボランティアやNPOの事業活動が、一歩進んで有償ボランティアや社会起業家の輩出を促す経済界の重要な要因と化したのである。
そういう時代背景にあっての中経協の組織づくりを考えるとき、よりミッション性を明確に浮きぼりにしながら学生や女性起業家、発明家や研究者、大学教官等も巻き込んだ会員組織を再構築し、彼らの柔軟な思考による環境や資源、健康や福祉、教育や地域振興の事業化に取組んでいきたいと考える。幸い私たち中経協の課題として創立30周年からの悲願であるオーナーズスピリットを堅持する地域経営者連合会、高齢者による社会貢献団体「賢人会議所」、日本経営の精神文化を探る「経営文化研究所」の設立が待たれる。中でも、それらの事業を通じ、わが国NIPPONの再建に向けて次世代リーダーの発掘と養成につとめていきたいと思う。
幸い今年は、地域の皆さまのご理解とご支援によって運営する福岡産業振興協議会が設立30周年、福岡県インターンシップ推進協議会が設立10周年をむかえ、来年は、九州経済フォーラムが設立25周年、福岡県高齢者能力活用センターが設立15周年を迎える。しっかりと“ソシアル”な視点で諸事業を構築していきたいとの“おもい”を強く抱いている昨今である。
|